計画順序生産

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「お客さまに最短の納期で品質の高いクルマを提供する」ため、受注した順序に生産、納車するマツダの生産方式のこと。車種の多様化やオプション選択が増す中で、在庫を削減し、かつ納期を短縮するための取り組み。計画順序生産するのは最終組立だけではなく、3日前に確定する計画順序に基づいて、サプライヤーによる部品生産も計画順序に同期することを目指している。計画順序生産するにあたっての最大の障壁は塗装工程である。トヨタ生産方式でも日産生産方式においても、塗装工程の精度に後工程が依存することを排除する目的で、塗装工程の後に、ある一定のバッファ(シンクロ納入)を設けていることが知られている。マツダの取り組みでは、塗装工程の改善を徹底して行うことで、取り組み初年度(2002年)の順守率が49.0%、2台に1台しか計画された順序通りに次工程に送れていなかったのが、4年後の2006年には99.1%にまで上昇した。この取り組みの結果、計画順序生産導入前の混流生産では塗装工程後にあった30台~50台の滞留(バッファ)を解消している。2015年現在では、ほぼ100%に達しているとしている。

また、順守率の上昇に伴い、在庫を抱えることもなくなり、部品の計画順序供給は社内部品から社外部品へと拡大され、サプライヤーでも、計画順序に合わせた部品供給を行うとともに、サプライヤーの工場を巡回して必要な部品だけを搬入する「ミルクラン方式」の輸送を採用するなど、物流の効率化にも取り組み、2011年は2002年に対して生産車種が8車種から9車種に増加したにも関わらず、部品庫スペースは55%削減し、部品の在庫も半減した。クルマは生産ラインをストレートに流れるようになり、製造リードタイムは37%短縮した。

関連項目

モジュール化
マツダコモン・アーキテクチャ構想