整流化

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整流とは、(1)前後のライン(または工程)の対応関係が(1対1)確定しており、(2)最初工程への投入(AO)から最終工程の産出(FF)までの加工対象(ワーク)の順序が変わらない流れ[1]のことを言い。そのような生産工程へ変革することを整流化と言う。

「受注から納車までの完全整流化」とは、顧客が注文した順に、生産を行い、その順に納入ができれば、各顧客に対する納入リードタイムは同一になり、受注から納車までの流れが完全に整流化すること。しかし、受注日時のばらつき、受注内容のカスタム度の違い、顧客の指定納入期日の違い、製品間の工数差、タクト一定・平準化など生産側の制約条件、サプライヤー能力の制約、立地による物流リードタイムの違いなど、多くの条件が加わるので、これらの制約を勘案しながら、オーダーを最小限プールし、最適の車体着工順序計画を策定し(ロット、平準化など)、最適の方法(大ロット納入、小ロット納入、順序納入など)で各部品を調達し、それらを最適のポイントで順立てし(サプライヤー、中間倉庫、構内の順立て場、ライン上など)、ライン上の直行率を高め、計画順序と生産時刻をできるだけ遵守し、顧客間の納期のばらつきを抑え、かつ、納期を短縮することで「受注から納車までの完全整流化」という「あるべき姿」に対応している。

日産生産方式は、この「あるべき姿」に対して、「着工順序計画の遵守」「完成時間の遵守」を主たる管理ポイントとして、トヨタ生産方式(平準化組立と後補充の小ロット部品納入)とは一味違う同期生産方式を試行している。

出典

  1. ^ 『「整流」によるもの造り』佐武弘章編著

関連項目

トヨタ生産方式
日産生産方式