「自動車排出ガス規制」の版間の差分

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2015年9月に発覚した、VW(フォルクスワーゲン)のディフィートデバイス制御は、本来、エンジンの保護等を目的とした、[[排出ガス規制装置]]の非稼動を、検査時か実走行時か判定するプログラムによって切り替えていたことが問題であり、[[ディフィートストラテジー]]自体に問題があるわけではない。同様の問題が、日本でも2011年にいすゞ(トラック)により発覚したが、前述の[[オフサイクル規制]]のきっかけになったと言われている。
2015年9月に発覚した、VW(フォルクスワーゲン)のディフィートデバイス制御は、本来、エンジンの保護等を目的とした、[[排出ガス規制装置]]の非稼動を、検査時か実走行時か判定するプログラムによって切り替えていたことが問題であり、[[ディフィートストラテジー]]自体に問題があるわけではない。同様の問題が、日本でも2011年にいすゞ(トラック)により発覚したが、前述の[[オフサイクル規制]]のきっかけになったと言われている。


2016年4月に発覚した三菱自動車による燃費計測不正では、[[シャシダイナモメータ]]へ設定する走行抵抗値を[[道路運送車両法]]で定められた方法以外で計測し、10%程度の燃費改善を図ったものである。また、この件の発覚後、国土交通省が国内の自動車メーカー各社へ、順法の再確認を指示したところ、スズキ自動車においても、法定外の方法で燃費計測用の基礎データを取得していたことを公表した。
2016年4月に発覚した三菱自動車による燃費計測不正では、[[シャシダイナモメータ]]へ設定する走行抵抗値を[[道路運送車両法]]で定められた方法以外で計測し、10%程度の燃費改善を図ったものである。また、この件の発覚後、国土交通省が国内の自動車メーカー各社へ、順法の再確認を指示したところ、スズキ自動車においても、法定外の方法で燃費計測用の基礎データを取得していたことが発覚した。


このような、排出ガス規検査逃れ、燃費計測不正は、いずれもシャシダイナモメータ上で計測する、室内計測に問題の根本的な原因があり、世界的に[[PEMS|実走行計測]]の流れが加速している。今後の排出ガス検査や燃費計測は、実走行状態において行われるようになると思われる。
このような、排出ガス規検査逃れ、燃費計測不正は、いずれもシャシダイナモメータ上で計測する、室内計測に問題の根本的な原因があり、世界的に[[PEMS|実走行計測]]の流れが加速している。今後の排出ガス検査や燃費計測は、実走行状態において行われるようになると思われる。

2016年5月31日 (火) 05:19時点における版

自動車排出ガス規制は各国、地域毎に設定され、日本でも自動車排出ガス規制値として、その適用が義務付けられている。ただし、その規制値は検査時にのみ適用されるため、公道を走行するような実稼動状態の排出ガスを規制するものとはなっていない。オフサイクル規制として、検査モード以外で排出ガスを規制値を超えて排出することは禁止されているが、現在の検査方法では実走行時の排出ガス濃度を検査できないことが問題となっている。そのため、各国と協調して、世界統一の排出ガス規制値、及び実走行での検査が可能な方法の導入が計画されている。

2015年9月に発覚した、VW(フォルクスワーゲン)のディフィートデバイス制御は、本来、エンジンの保護等を目的とした、排出ガス規制装置の非稼動を、検査時か実走行時か判定するプログラムによって切り替えていたことが問題であり、ディフィートストラテジー自体に問題があるわけではない。同様の問題が、日本でも2011年にいすゞ(トラック)により発覚したが、前述のオフサイクル規制のきっかけになったと言われている。

2016年4月に発覚した三菱自動車による燃費計測不正では、シャシダイナモメータへ設定する走行抵抗値を道路運送車両法で定められた方法以外で計測し、10%程度の燃費改善を図ったものである。また、この件の発覚後、国土交通省が国内の自動車メーカー各社へ、順法の再確認を指示したところ、スズキ自動車においても、法定外の方法で燃費計測用の基礎データを取得していたことが発覚した。

このような、排出ガス規検査逃れ、燃費計測不正は、いずれもシャシダイナモメータ上で計測する、室内計測に問題の根本的な原因があり、世界的に実走行計測の流れが加速している。今後の排出ガス検査や燃費計測は、実走行状態において行われるようになると思われる。