「部品共通化」の版間の差分

編集の要約なし
編集の要約なし
編集の要約なし
 
3行目: 3行目:
その後、2002年頃から海外販売の急拡大期には、急増する販売に対応するため、設計の迅速化、生産能力の迅速な増強が優先された。国内販売の急増期と同様に、新規設計部品の増大によるコストを、販売台数の増大による収益でカバーできたからである。しかしながら、新車投入の速度を重視するあまり、車種別の都度設計が増え、似たような機能の別部品が大量に設計され、品質問題の遠因となったり、開発コストの増大を招いたりしたが、2008年の金融危機と、2009年から2010年にかけて発生した大規模リコールにより、それらの解消が強く求められる状況となった。少なくともアメリカにおけるリコールは、製造ではなく設計に問題があったからである。さらに2011年の東日本大震災によるサプライチェーンの破綻により部品管理の簡素化も求められたことが背景にある。
その後、2002年頃から海外販売の急拡大期には、急増する販売に対応するため、設計の迅速化、生産能力の迅速な増強が優先された。国内販売の急増期と同様に、新規設計部品の増大によるコストを、販売台数の増大による収益でカバーできたからである。しかしながら、新車投入の速度を重視するあまり、車種別の都度設計が増え、似たような機能の別部品が大量に設計され、品質問題の遠因となったり、開発コストの増大を招いたりしたが、2008年の金融危機と、2009年から2010年にかけて発生した大規模リコールにより、それらの解消が強く求められる状況となった。少なくともアメリカにおけるリコールは、製造ではなく設計に問題があったからである。さらに2011年の東日本大震災によるサプライチェーンの破綻により部品管理の簡素化も求められたことが背景にある。


2012年に発表された[[Toyota New Global Architecture|TNGA]]では、部品の共通化は一つの柱と位置付けられている。従来行われきた、車種別の都度設計をやめ、車種を跨ってプラットフォームという基本部分は一括設計する。顧客の目に触れる部分は個別設計されるが、シートのフレームや部品の取り付け部、取り付け方法などは共通化される。例えば、基本の着座位置パターンをあらかじめ決めることにより、車種別設計では40種類のエアバックが必要であったのが、10種類にまで絞り込まれている。そのため、設計組織を共通アンダーボディ担当の設計部と車種別アッパーボディ担当の設計部に再編している。また、部品共通化によるリコール範囲の拡大の経験から、部品設計プランニングの長期化にも取り組んでおり、サプライヤー参加のフロントローディングも実現している。
2012年に発表された[[Toyota New Global Architecture|TNGA]]では、部品の共通化は一つの柱と位置付けられている。従来行われきた、車種別の都度設計をやめ、車種を跨ってプラットフォームという基本部分は一括設計する。顧客の目に触れる部分は個別設計されるが、シートのフレームや部品の取り付け部、取り付け方法などは共通化される。例えば、基本の着座位置パターンをあらかじめ決めることにより、車種別設計では40種類のエアバックが必要であったのが、10種類にまで絞り込まれている。そのため、設計組織を共通アンダーボディ担当の設計部と車種別アッパーボディ担当の設計部に再編している。また、部品共通化によるリコール範囲の拡大の経験から、部品設計プランニングの長期化にも取り組んでおり、[[Toyota New Global Architecture#サプライヤー参加のフロントローディング|サプライヤー参加のフロントローディング]]も実現している。


== 関連項目 ==
== 関連項目 ==
7,764

回編集