「日別生産計画」の版間の差分

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日別生産計画とは、営業からの生産依頼に基づき生産本部で設定される[[生産計画]]のこと。日単位でどのような仕様の車両をいつ完成させるか([[FF]]日)を計画しており、部品手配等のために見越しで4カ月先までの日別生産計画を立てている。ただし、実際に車両をラインで生産するには生産計画確定が必要であり、確定作業は旬単位(毎月原則、7日、17日、27日)に2旬先の旬別計画を確定する。つまり現在より3旬先以降は内示レベルである(C、N1、N2、...レベル)。
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日別生産計画とは、営業からの生産依頼に基づき生産本部で設定される[[生産計画]]のこと。製造日程計画と呼ぶ場合もある([[日別生産計画#製造日程計画|後述]])。日単位でどのような仕様の車両をいつ完成させるか([[FF]]日)を計画しており、部品手配等のために見越しで4カ月先までの日別生産計画を立てている。ただし、実際に車両をラインで生産するには生産計画確定が必要であり、確定作業は旬単位(毎月原則、7日、17日、27日)に2旬先の旬別計画を確定する。つまり現在より3旬先以降は内示レベルである(C、N1、N2、...レベル)。
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*確定レベル:現在日を含む2旬の範囲内の生産計画であり、ラインでの生産が確定している([[J/#]]付番)<BR>
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== 車両状態 ==
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*生計車両:生産計画は確定した([[J/#]]付番)が、まだ艤装オン6日前の状態にあるので一部の仕様変更([[巻替|型式巻替]]や[[オプション]]等の変更)が許される車両を指す。<BR>
*生計車両:生産計画は確定した([[J/#]]付番)が、まだ艤装オン6日前の状態にあるので一部の仕様変更([[巻替|型式巻替]]や[[オプション]]等の変更)が許される車両を指す。<BR>
*内示車両:生産計画は設定されているが、まだ内示レベルの車両。<BR>
*内示車両:生産計画は設定されているが、まだ内示レベルの車両。<BR>
== 製造日程計画 ==
最終的な工場ライン別の製造日程計画は、販売会社からの注文に応じて策定される。N月中にわたって全国の各販売会社から[[完成車]]の注文内容が伝えられ、その注文内容と[[見込生産]]計画との仕様の擦り合わせ作業を行っていく。計画と注文内容が一致しない場合に、色やエンジン形式、装備等に関して注文内容の修正を行うのである。ただし、[[生産計画]]の修正範囲には制限があり、それは主として[[部品購買計画]]の変更可能範囲(つまりは部品の調達可能状況)に依存している。どの自動車メーカーも、見込みの日産計画を策定する際に、例えば「車種Aのサンルーフ付き」は1日に*台までという様に、仕様のアイテム毎に生産数量枠(通常は各アイテム毎に10%~20%程度)を設定している。見込み生産計画が修正不可能な場合、つまり販売会社からの注文内容と一致しない車輌の取り扱いに関して自動車メーカー毎に違いが生じる。具体的には3通りの処理の仕方が存在する。1つ目は、その車輌をそのまま生産し自動車メーカーの在庫車とするケースである。2つ目は、販売会社が引き取るケースである。3つ目は、その車輌そのものの生産を行わないというケースである。こうした調整作業の後、自動車メーカーによって違いはあるが生産日の3~6日前に最終的な製造日程計画を確定する。この製造日程計画では、多種多様な車種の工場ライン別の組み立て順序が決定されている。ただし製造当日には、組立(ボディーに各種部品を取り付ける艤装工程)前のボディー溶接と塗装工程で溶接不良や塗装不良の手直しが入るため、実際の組み立て順序計画は事前の計画から多少変更される。したがって厳密には、自動車メーカーが最終的な生産順序計画を確定するのは、ボディーが最終組立工程に入る直前である。以上のようなステップを経て、自動車メーカーは需要動向に対応する生産計画を策定していく。<ref>受注生産システムの方向性 -日本の自動車メーカーの事例- 富野 貴弘</ref>
日別生産計画以降では、見込みか実需にかかわらず、[[タイムフェンス]]を越えたオーダーは実際に生産される。トヨタの場合、生産開始の3日前まで仕様変更を認める代わり、生産されたクルマは、ディーラーの在庫となる。日産の場合は、生産されたクルマは、メーカーの在庫となる。
== 出典 ==
<references />
== 関連項目 ==
[[年間生産計画]]<br>
[[月間生産計画]]<br>
[[週間(旬間)生産計画]]

2016年2月5日 (金) 08:27時点における最新版

日別生産計画とは、営業からの生産依頼に基づき生産本部で設定される生産計画のこと。製造日程計画と呼ぶ場合もある(後述)。日単位でどのような仕様の車両をいつ完成させるか(FF日)を計画しており、部品手配等のために見越しで4カ月先までの日別生産計画を立てている。ただし、実際に車両をラインで生産するには生産計画確定が必要であり、確定作業は旬単位(毎月原則、7日、17日、27日)に2旬先の旬別計画を確定する。つまり現在より3旬先以降は内示レベルである(C、N1、N2、...レベル)。

  • 確定レベル:現在日を含む2旬の範囲内の生産計画であり、ラインでの生産が確定している(J/#付番)
  • 内示レベル:生産確定されていない日産計画状態を指す。内示レベルは大まかに分けると生産ラインの稼働を想定して生産車両の序列までほぼ決定した範囲と、部品内示を主目的に車両仕様を設定した部分に分かれる。内示の変動幅は工場の生産対応能力次第となる。
  • Cレベル:内示レベルのうち特に次回生産計画確定される旬(現在日から2旬先)を指し工場から見ればほぼ確定扱いとなる。

車両状態

  • 在庫車両:完成し在庫されている車両、または車両は工場で生産中であるが艤装オン6日前を過ぎ車両仕様の変更が認められない車両を指す。(艤装オン予定6日前に生産仕様が確定する。一部艤装オン3日前に決定するオプションもある)
  • 生計車両:生産計画は確定した(J/#付番)が、まだ艤装オン6日前の状態にあるので一部の仕様変更(型式巻替オプション等の変更)が許される車両を指す。
  • 内示車両:生産計画は設定されているが、まだ内示レベルの車両。

製造日程計画

最終的な工場ライン別の製造日程計画は、販売会社からの注文に応じて策定される。N月中にわたって全国の各販売会社から完成車の注文内容が伝えられ、その注文内容と見込生産計画との仕様の擦り合わせ作業を行っていく。計画と注文内容が一致しない場合に、色やエンジン形式、装備等に関して注文内容の修正を行うのである。ただし、生産計画の修正範囲には制限があり、それは主として部品購買計画の変更可能範囲(つまりは部品の調達可能状況)に依存している。どの自動車メーカーも、見込みの日産計画を策定する際に、例えば「車種Aのサンルーフ付き」は1日に*台までという様に、仕様のアイテム毎に生産数量枠(通常は各アイテム毎に10%~20%程度)を設定している。見込み生産計画が修正不可能な場合、つまり販売会社からの注文内容と一致しない車輌の取り扱いに関して自動車メーカー毎に違いが生じる。具体的には3通りの処理の仕方が存在する。1つ目は、その車輌をそのまま生産し自動車メーカーの在庫車とするケースである。2つ目は、販売会社が引き取るケースである。3つ目は、その車輌そのものの生産を行わないというケースである。こうした調整作業の後、自動車メーカーによって違いはあるが生産日の3~6日前に最終的な製造日程計画を確定する。この製造日程計画では、多種多様な車種の工場ライン別の組み立て順序が決定されている。ただし製造当日には、組立(ボディーに各種部品を取り付ける艤装工程)前のボディー溶接と塗装工程で溶接不良や塗装不良の手直しが入るため、実際の組み立て順序計画は事前の計画から多少変更される。したがって厳密には、自動車メーカーが最終的な生産順序計画を確定するのは、ボディーが最終組立工程に入る直前である。以上のようなステップを経て、自動車メーカーは需要動向に対応する生産計画を策定していく。[1]

日別生産計画以降では、見込みか実需にかかわらず、タイムフェンスを越えたオーダーは実際に生産される。トヨタの場合、生産開始の3日前まで仕様変更を認める代わり、生産されたクルマは、ディーラーの在庫となる。日産の場合は、生産されたクルマは、メーカーの在庫となる。

出典

  1. ^ 受注生産システムの方向性 -日本の自動車メーカーの事例- 富野 貴弘

関連項目

年間生産計画
月間生産計画
週間(旬間)生産計画