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ホットスタンプ(熱間プレス)とは、500MPa級の鋼板を約900℃に加熱して柔らかくした状態で[[プレス]]加工し、同時に金型との接触に伴う冷却効果で焼き入れすることにより1.5GPa(1,500MPa)以上という高強度の超高張力鋼を得るもので、欧米自動車メーカーが既にキャビンの骨格部材等に積極的に採用している。フォルクスワーゲン(VW)のゴルフⅦではボディの28% | ホットスタンプ(熱間プレス)とは、500MPa級の鋼板を約900℃に加熱して柔らかくした状態で[[プレス]]加工し、同時に金型との接触に伴う冷却効果で焼き入れすることにより1.5GPa(1,500MPa)以上という高強度の超高張力鋼を得るもので、欧米自動車メーカーが既にキャビンの骨格部材等に積極的に採用している。フォルクスワーゲン(VW)のゴルフⅦではボディの28%がホットスタンプである。VWでは高強度であることと、コストがアルミの3分の1であることをその採用理由として挙げている。 | ||
日本はこれまで、鉄鋼メーカーがハイレベルな成分制御と安定的な生産により、冷間プレスのハイテン(超抗張力鋼)を供給し、完成車メーカーもそれに合わせた設備投資を行ってきたことから、ホットスタンプの導入は欧米系から遅れていたが、ホンダやマツダなどが採用を開始している。 | |||
== 直接熱間プレスと間接熱間プレス == | |||
直接熱間プレス成形では、部品を高温度でオーステナイト化した後、冷却された金型へ移動し、深絞りを実行する。高い温度では材料の成形性が高くなるため、複雑な形状を成形することが可能となる。 | |||
間接熱間プレス成形では、まず部品を加熱せずに深絞りを行う。最終形状を得る前に、部品がオーステナイト化する温度まで加熱し、最終絞りを実行する。この追加ステップによって成形性が強化され、また非常に複雑な形状も成形することが可能となる。 |
2016年2月25日 (木) 07:55時点における版
ホットスタンプ(熱間プレス)とは、500MPa級の鋼板を約900℃に加熱して柔らかくした状態でプレス加工し、同時に金型との接触に伴う冷却効果で焼き入れすることにより1.5GPa(1,500MPa)以上という高強度の超高張力鋼を得るもので、欧米自動車メーカーが既にキャビンの骨格部材等に積極的に採用している。フォルクスワーゲン(VW)のゴルフⅦではボディの28%がホットスタンプである。VWでは高強度であることと、コストがアルミの3分の1であることをその採用理由として挙げている。 日本はこれまで、鉄鋼メーカーがハイレベルな成分制御と安定的な生産により、冷間プレスのハイテン(超抗張力鋼)を供給し、完成車メーカーもそれに合わせた設備投資を行ってきたことから、ホットスタンプの導入は欧米系から遅れていたが、ホンダやマツダなどが採用を開始している。
直接熱間プレスと間接熱間プレス
直接熱間プレス成形では、部品を高温度でオーステナイト化した後、冷却された金型へ移動し、深絞りを実行する。高い温度では材料の成形性が高くなるため、複雑な形状を成形することが可能となる。
間接熱間プレス成形では、まず部品を加熱せずに深絞りを行う。最終形状を得る前に、部品がオーステナイト化する温度まで加熱し、最終絞りを実行する。この追加ステップによって成形性が強化され、また非常に複雑な形状も成形することが可能となる。