ホットスタンプ

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ホットスタンプ(熱間プレス)とは、500MPa級の鋼板を約900℃に加熱して柔らかくした状態でプレス加工し、同時に金型との接触に伴う冷却効果で焼き入れすることにより1.5GPa(1,500MPa)以上という高強度の超高張力鋼を得るもので、欧米自動車メーカーが既にキャビンの骨格部材等に積極的に採用している。フォルクスワーゲン(VW)のゴルフⅦではボディの28%がホットスタンプである。VWでは高強度であることと、コストがアルミの3分の1であることをその採用理由として挙げている。 日本はこれまで、鉄鋼メーカーがハイレベルな成分制御と安定的な生産により、冷間プレスのハイテン(超抗張力鋼)を供給し、完成車メーカーもそれに合わせた設備投資を行ってきたことから、ホットスタンプの導入は欧米系から遅れていたが、徐々に使用範囲が拡大してきている。

特徴

ホットスタンプでは、超強度鋼を用いた冷間プレスでの大きな課題である形状凍結性が非常に良好なことが大きな特徴である。ホットスタンプを用いることにより高強度で形状精度が高い部品を製造することが可能となる。

直接熱間プレスと間接熱間プレス

直接熱間プレス成形では、部品を高温度でオーステナイト化した後、冷却された金型へ移動し、深絞りを実行する。高い温度では材料の成形性が高くなるため、複雑な形状を成形することが可能となる。

間接熱間プレス成形では、まず部品を加熱せずに深絞りを行う。最終形状を得る前に、部品がオーステナイト化する温度まで加熱し、最終絞りを実行する。この追加ステップによって成形性が強化され、また非常に複雑な形状も成形することが可能となる。

関連項目

ハイドロフォーミング