「日産Common Module Family」の版間の差分

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日産CMF(Common Module Family)は、車両を四つの物理的な領域に分け、さらに電気・電子領域をE/E architecture としてひとつのまとまりとし、これらの組み合わせにより柔軟に個別車種を創出する開発コンセプトである。四つの物理的領域は、エンジンコンパートメント、コックピット、フロントアンダーボディ、リアアンダーボディを指し、これらはBig Moduleと呼ばれる。最初の二つはエンジンおよび客室の空間を定義するものであり、後者の二つは車両の骨格に関わるものである。これらのBig Module にはそれぞれ2、3のバリエーションをあらかじめ用意し、これらを組み合わせることで、個別の車種を設計していく。例えば、MPV とSUV が同じエンジンコンパートメント(high hood)を共有しながらも、異なるFR/RR アンダーボディ(heavy/middleweight)やコックピット(high/low position)を選択することで、異なる車種を生み出すことができる。
日産CMF(Common Module Family)は、車両を四つの物理的な領域に分け、さらに電気・電子領域をE/E architecture としてひとつのまとまりとし、これらの組み合わせにより柔軟に個別車種を創出する開発コンセプトである。四つの物理的領域は、エンジンコンパートメント、コックピット、フロントアンダーボディ、リアアンダーボディを指し、これらはBig Moduleと呼ばれる。最初の二つはエンジンおよび客室の空間を定義するものであり、後者の二つは車両の骨格に関わるものである。これらのBig Module にはそれぞれ2、3のバリエーションをあらかじめ用意し、これらを組み合わせることで、個別の車種を設計していく。例えば、MPV とSUV が同じエンジンコンパートメント(high hood)を共有しながらも、異なるFR/RR アンダーボディ(heavy/middleweight)やコックピット(high/low position)を選択することで、異なる車種を生み出すことができる。
== 開発順序 ==
まず、Big Moduleの先行開発があり、次に個別車種の開発段階で、Big Moduleの組み合わせの選択、Big Moduleに含まれない車種固有の部分の設計、試作・検証、設計凍結へと進むことになる。ただし、実際には単純ではなく、性能達成するために固定部/可変部が変更される場合がある。つまり、Big Moduleの先行開発から個別車種に固有な部分の詳細設計へと一方向的に進むばかりではなく、個別車種の固有部分の詳細設計を通じてBig Moduleの設計ルールの見直しも行われる可能性があり、直列よりも並列のプロセスに近くなる。日産は、CMFを通じて、部品共通化率を現状の約4割から約8割にまで高めるとしている。


== 関連項目 ==
== 関連項目 ==

2015年11月30日 (月) 01:21時点における版

日産CMF(Common Module Family)は、車両を四つの物理的な領域に分け、さらに電気・電子領域をE/E architecture としてひとつのまとまりとし、これらの組み合わせにより柔軟に個別車種を創出する開発コンセプトである。四つの物理的領域は、エンジンコンパートメント、コックピット、フロントアンダーボディ、リアアンダーボディを指し、これらはBig Moduleと呼ばれる。最初の二つはエンジンおよび客室の空間を定義するものであり、後者の二つは車両の骨格に関わるものである。これらのBig Module にはそれぞれ2、3のバリエーションをあらかじめ用意し、これらを組み合わせることで、個別の車種を設計していく。例えば、MPV とSUV が同じエンジンコンパートメント(high hood)を共有しながらも、異なるFR/RR アンダーボディ(heavy/middleweight)やコックピット(high/low position)を選択することで、異なる車種を生み出すことができる。

開発順序

まず、Big Moduleの先行開発があり、次に個別車種の開発段階で、Big Moduleの組み合わせの選択、Big Moduleに含まれない車種固有の部分の設計、試作・検証、設計凍結へと進むことになる。ただし、実際には単純ではなく、性能達成するために固定部/可変部が変更される場合がある。つまり、Big Moduleの先行開発から個別車種に固有な部分の詳細設計へと一方向的に進むばかりではなく、個別車種の固有部分の詳細設計を通じてBig Moduleの設計ルールの見直しも行われる可能性があり、直列よりも並列のプロセスに近くなる。日産は、CMFを通じて、部品共通化率を現状の約4割から約8割にまで高めるとしている。

関連項目

モジュール化