トレーサビリティ

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トレーサビリティとは、英語のTrace(追跡)と、Ability(できること)を組み合わせた言葉で、「追跡可能性」「生産履歴追跡」などと訳される。製造業においては、原材料調達・部品調達から加工、組立、流通、販売の各段階において、製造者・仕入先・販売元などを記録保管し、製造物の製造履歴を追跡できるようにすることが目的となる。

ISO 8402では、トレーサビリティを、製品上に表示されている予め定義された識別性をもとに、その製品の生産場所、生産過程、利用法を追跡可能であることと定義している。

機能安全における、求められるトレーサビリティ

  • 要件のトレーサビリティ
  • プロセスのトレーサビリティ
  • 変更管理のトレーサビリティ

システムズエンジニアリングでの定義

トレーサビリティとは「跡を追う(trace)」と「できること(ability)」を組み合わせた用語で、「追跡可能性」と訳される。具体的には、顧客の要求を聞き出してから、顧客の要求を満たす製品を作り出し運用するまでの過程を追跡し明らかにできるよう管理する。

システム設計プロセス群と製作・インテグレーション(統合)プロセス群のプロセスにおいて極めて重要な事項である。前者では顧客の要求と設計結果(仕様)に齟齬が生じないように必要に応じてトレーサビリティ・マトリクスを作成する。これはこれは表形式で左側に要求を記述し、右側に設計仕様の項目を記す。後者では衛星システムでは構成する全ての組立て品、機器、部品材料の、設計、部品メーカ、製造ロット、検査記録、試験記録等の製造履歴が追跡できるようにすることである。これらの履歴情報は部品メーカー側と衛星メーカー側の双方で整合をとって関連付けられ、第三者にも判るようにトレーサビリティ情報の管理が行われる。トレーサビリティによって、例えば他の衛星プログラムで該当する部品材料が不具合を起こした場合に、不具合通知を受けた部品材料メーカーは、該当部品材料を使用している全ての衛星側に警告を発する。それを受けた衛星側は良品に交換するといった是正処置を迅速、確実に実行することができる。[1]

出典

  1. ^ システムズエンジニアリングの基本的な考え方 初版 JAXA 2007年4月B改訂

関連項目

DPM
DMC