窒素酸化物

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    窒素酸化物(ちっそさんかぶつ、nitrogen oxides)は窒素の酸化物の総称。一酸化窒素(NO)、二酸化窒素(NO2)、亜酸化窒素(一酸化二窒素)(N2O)、三酸化二窒素(N2O3)、四酸化二窒素(N2O4)、五酸化二窒素(N2O5)など。化学式の NOX から「ノックス」ともいう。窒素酸化物は燃焼に伴って発生する大気汚染物質の一つであり、自動車排出ガス中のNOxは規制の対象である。窒素酸化物はその生成過程から、石油系燃料由来のものを、Fuel NOX、高温燃焼に伴う、空気由来のものを、Thermal NOXと言う。内燃機関では、理論空燃比による完全燃焼ではFuel NOXは発生しないが、完全燃焼による高温により、Thermal NOXは発生するとされている。

    NOX浄化の仕組み

    ガソリンエンジンでは、排気ガス中に一酸化炭素(CO)と炭化水素(HC)が含まれており、NOXと反応させることにより、窒素ガス(N2)と水(H2O)へ転化することにより浄化している。その反応をコントロールする仕組みが三元触媒で、希少金属を使用しているため高価である。

    ディーゼルエンジンのNOXを浄化するため、アンモニア(NH3)と反応させ、窒素ガス(N2)と水(H2O)へ転化する仕組みが、自動車以外でも広く用いられている。ただし、アンモニアは劇物のため、そのまま自動車へ搭載することが出来ない。そこで、SCRでは尿素の形で、LNTでは燃焼のコントロールにより、一時的に酸化から還元状態に遷移し、発生した一酸化炭素(CO)と炭化水素(HC)から、アンモニアを生成することで、NOXを窒素ガスとして無害化する。SCRでもLNTでも原理は同じである。

    関連項目

    ブルーテック
    自動車排出ガス規制値